第六章 新たな発展としての西光義敞の業績
はじめに
前章にて伊藤の布教活動の実態を検討し、獲信への過程を考察した。本章では、伊藤の教えを受け継ぎさらに発展させた西光義敞(一九二五~二〇〇四)が提唱した、新しい布教形態を検討する。
第一節で西光の生い立ちを概観し、また、どのような経緯で宗教的経験へ辿り着いたかを調べていく。
第二節では、アメリカの臨床心理学者カール・R・ロジャーズから影響を受け、西光が提唱した真宗カウンセリングについて見ていく。そして、西光がビハーラなどの革新的活動を展開することとなった基本的背景をおさえる。第三節では西光が提示していた法座形態を検討し、浄土真宗の布教現場において、どのような新しい可能性があるかを考察する。